INSIDE LOOKING OUT

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貴方が「月が綺麗だね…」って僕の目を見て言ってくれたら、僕も貴方の目を見つめながら「死んでもいい…」っていうよ。朝でも昼でも「月が綺麗だね」って耳元で囁いてよ。

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INSIDE LOOKING OUT


朝の4時、アントニオの働くガススタンドにこっそりとフラットを抜け出して買い物に出かける、パジャマの上にガウンを羽織って、まだ薄暗い中小さなスタンドに入る。彼はカウンターの向こうで居眠り「Hi」と声をかけると彼はピクっと頭をあげる。いつものチョコレートヌガーをひとつ。ママには内緒。


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仕掛網漁の船が港に戻ってきた。船に乗り込んで魚の仕分けを手伝う。「まったく今年は不漁にも程がある」船長が首を振る。僕は人魚を担当して選り分ける。大きいもので20センチほど上半身が人間の女で下半分は青魚のような光沢がある。悲鳴を無視して選り分け氷を入れた発泡スチロール箱に放り込む。


INSIDE LOOKING OUT


珈琲が不味い、まるで癌患者の血の様。そう、あの時は大変な目にあった。アイツが手に入れて来た生き血は末期癌患者のものだった、弱った身体で抵抗すら出来なかったに違いない。一口飲んで吐き出したけれどほんの少しが胃の腑に落ちた。その後の苦しみと言ったら…。丸一日吐き下しアイツを呪詛した。


INSIDE LOOKING OUT

ぼくに血をくれる人が消えた。カッターナイフで指先に切れ目を入れて、赤ん坊のように吸わせてくれたあの人はもう居ないし、生き血をバケツに集めて持ってくる初老の男は要領が悪く、若くたくましい血気盛んな青年を襲おうとして逆に捕まりリンチを受けて再起不能だ。だからぼくは今とても餓えている。


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